映画「奇蹟がくれた数式」を観に行って
皆さんは数学者ラマヌジャンをご存知でしょうか?私は大学3年生の時に、好きな数学者はラマヌジャンだという同級生から初めてその名前を聞きました。
ラマヌジャンはインド出身の数学者で、彼の研究に感銘を受けたイギリスのケンブリッジ大学の教授ハーディに招待され、数学の研究のためにイギリスへ渡ります。映画「奇蹟がくれた数式」ではラマヌジャンとハーディのイギリスでの共同研究を中心に、慣れ親しんだ習慣や社会における立場など様々な面で異なる二人が、お互いの数学への尊敬を通じて心を通わせていく姿が描かれています。
映画を見終わった後は、数学における証明の重要性に関するハーディとの確執を軸に描かれる文化の違いとそれに苦しみながらも、数学の研究に情熱を傾けるラマヌジャンの姿が心に残りました。ラマヌジャンをそこまで数学の研究に打ち込ませるエネルギーや理解を超える知性を持った天才との出会いとはどのようなものだろうなどと、いろいろなこと思いを巡らさずにはいられませんでした。
もう一つ印象に残ったのは黒板の大きさです。黒板は、ラマヌジャンが講義を受けるシーンやハーディと数学の議論をするシーンに登場します。その黒板が私が普段見る黒板よりもずっと小さいことに驚きました。研究室でのセミナーでは、私も定理やその証明を黒板に書いて説明したりしますが、あんなに小さいと不便そうだなと思いました。
皆さんもぜひ「奇蹟がくれた数式」を見に、映画館に足を運んでみてください!。
*この原稿を執筆された篠田万穂さんは 数理女子のリアルライフにも「サマースクール in トリエステ」という記事をご寄稿くださってます。
※2016年10月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。