key

この文章を書いたのは?

九州大学数理学府 博士課程 3年

坂田 実加

第9回数論女性の集まりに参加して

2016年5月21日に上智大学で開催された研究集会「第9回数論女性の集まり」に参加してきました。

私が初めてこの集会に参加したのは、修士1年の5月でした。ゼミの先生に勧められたのがきっかけで、それ以来毎年参加し続け、今回で5回目になります。この集会は講演者だけでなく聴講者も全員女性という少し特殊な研究集会で、初めて参加した時は「日本にはこんなにたくさんの女性数学者がいるのか」と驚きました。参加には申し込みが必要ですが、毎年約20名が集まり、今年は講演者16名・聴講者10名の合計26名(内、大学院生9名)が参加しました。北は東北大学から南は九州大学まで、関東以外の大学からの参加者もたくさんいらっしゃいました。毎年欠かさず参加している方も居れば5年ぶりの方、初参加の方も居て、毎年新しい出会いがあります。また、講演内容も多岐にわたっていて、今回は数論だけでなく関連の深い結び目理論の講演もあり、各講演に対する聴講者からの質問もたくさん出ていました。

そして!しっかり勉強した後は、大学近くのレストランで懇親会の始まりです。美味しいピザやパスタ、ワインを楽しみながら色々な話をうかがいました。大学にどのぐらい女性がいるのか、日頃どのように過ごしているのか、どのような研究をしているのかなど、気軽におしゃべりしました。参加者の中には「来週、結婚します!」という方や小さなお子さんを育てながら研究をされている方、結婚してからも旧姓で活動されている方も居て、女性研究者の生の声をたくさん聞くことが出来ました。この研究集会に参加するまでは、自分の研究者としての将来を考えたことがなかったのですが、先輩方にお会いして「もし私が研究者になったらどんな人生を歩むだろう」と具体的に想像してみるようになりました。

4年前に初めて参加した時は先輩に案内してもらい、ドキドキしながら会場へ向かいましたが、今では私が後輩と一緒に参加するようになりました。進路の悩みや研究の悩み、そして女性ならではの悩みなど先輩方に気軽に相談できますし、この集会に参加するだけでも心がすっと軽くなるかもしれません。

大学院に進学したらどんな生活を送るのだろう?研究者になったらどんな人生を歩むのだろう?他の大学にはどんな女性がいるのだろう?と思われている方、ぜひ一度参加してみませんか。同じ悩みを持つ仲間や心強い先輩方に出会えるかもしれませんよ。

数論集合写真

※2016年8月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

SNS Share Button