数理・情報・AIの研究者の魅力を伝えるセミナーを開催しました
私が所属する理化学研究所 革新知能統合研究センター(理研AIP)は、理化学研究所の人工知能の研究拠点であり、情報・数理科学を中心とした研究者が在籍しています。
理研では、ダイバーシティ推進室が中心となって、女性研究者割合の一層の向上に取り組んでいます。理研AIPにとっても女性研究者の割合の改善は課題の一つであり、この取り組みを始める必要がありました。
当センターの女性研究者を増やすためには、当センターの核である数理科学分野への進学者を増やす必要があると考え、女子高校生向けのイベント「理研AIP-数理女子ジョイントセミナー」(2022年1月オンライン実施)を「数理女子」の先生方や事務局のお力を借りて実施しました。
結果、100名以上の方にご視聴頂きました。若手研究者の「何故研究者になったのか」という話は特に好評で、もっと聞きたいという声が沢山集まりました。
動画はこちらよりご覧ください。
2022年は、10月から翌年1月まで全6回、研究者と大学院生に中高校生向けに研究者を志したきっかけと研究内容をお話頂きました。セミナー開催後にYouTube上に動画を掲載したところ、2000件近い視聴者を集めました。
2022年度レポート 全6回、
登壇者は、理研AIPの研究員および数理女子の先生方や事務局の方に紹介いただいた人にお願いしました。結果、情報と数学のさまざまな問題に取り組む研究者の話を聞くことができ、私自身大変興味深く聞かせていただきました。
登壇者の中には、中高生の時は、数学が得意ではなく、はじめは文系志望だった人もいました。あることがきっかけで数学の魅力にはまっていき、現在、情報や数学の研究者として活動しているという話が大変興味深かったです。やはり「きっかけ」は大切で、沢山の生徒さんに研究者の仕事を知ってもらいたいと強く思いました。
どの回も数学と情報の話ですが、人間性があふれるお話で、是非いろんな人に見ていただきたいと思っています。個人的には、第3回の伊藤歌那さんの「ゲーデルの不完全性定理」のお話がとても興味深かったです。伊藤さんのお話は、非常に難しいお話でしたが興味深く、主催者であるにもかかわらず、学生の質問の前に質問をしてしまいました。
各回、参加者は20名から30名であり、その中で中・高校生は10名前後でした。保護者や中学・高校の先生のほか研究者にも参加いただき、当センターの課題(女性研究員の比率を増やすこと)は、当センターだけの問題ではないと強く認識しました。
2年間のイベント開催にあたっては、理研のダイバーシティ推進室の支援を受け、アンケートを事前にとりました。こちらのアンケートの結果を踏まえて、引き続き女子中高生および女子大学生向けのイベントを考えていきたいと思います。
※2023年9月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。