人生はエモい!タイランドからメッセージ
สวัสดีค่ะ(サワディーカ
私が働いている国立高専機構はとても大きな組織なので、国内外で色々なことに挑戦することができます。例えば在外研究という制度があり、海外で研究してくることもできます。実は私は数年前にこの制度を利用してインドで半年間数学の研究をしてくることが決まっていましたが、新型コロナウィルスの感染拡大が始まった頃で渡航を断念してしまいました。そんなときに、タイの新しい高専への派遣の募集があり、応募して研修期間を経て、いま2年間タイに来ています。こちらでも毎日学生や先生たちに会うのが本当に楽しいです。まだまだですがタイ語も勉強中で、学生たちと3つの言語(英語、タイ語、日本語)で話せるのもとても楽しいし嬉しいです。
ところでみなさん、タイ文字ってかわいいと思いませんか?私はタイ文字がかわいくてタイ語を勉強して、たくさんのことを学びました。こんな母音があるんだとか、日本人にはなかなか聞き分けられないけどタイ人には明らかに違って聞こえる子音があったり(逆もあります)、日本人にはなかなか聞こえないけどタイ人には明らかに聞こえる末子音というものがあったり、タイ語学習は驚きの連続です。母音について言うと、日本語で「ウ」と言ってもタイ文字で書こうとすると、「อุ」、「อู」、「 อึ」、「 อือ」、「 เออะ」、「 เออ」等、たくさん候補が挙がってしまいます。さらに声調もあるので聞き分けが本当に難しいです!でもそれがわかるようになったとき、少し違う次元の世界に入り込めた気がしてとても楽しいです。私が大好きな本「フラッターランド」みたいな。(「2次元より平らな世界」という、数学のファンタジー本です。楽しくておすすめ!)
私が初めてタイに来たのは高校生のときの修学旅行で、そういえばそのときも街中のタイ文字の看板に、言葉にならないぐらいの魅力を感じていました。当時、高校で言葉を作るのが流行っていて、タイっぽくて魅力的という意味で「エモい」という言葉を使っていたのですが、日本では最近、感動するという意味で「エモい」という言葉が使われているようですね!?まさにエモいです。
数学を志したいと思ったのも、タイがエモいと思ったのも、高校生のときです。若いときにエモいと感じたものは、その後の人生のヒントになるのかもしれないですね?みなさんも、エモいと感じたものをずっとずっと大切にしてくださいね。
※2023年1月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。
著者略歴
タイ高専 KOSEN-KMITL 客員教授