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この文章を書いたのは?

大阪府立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科

梶 真理香

私の教員経験について

⭐️自己紹介
 大阪府立大学工業高等専門学校(以下、府大高専)で数学教員をしています。府大高専に赴任するまでは修士2年の頃から、看護専門学校、定時制高校、私立中高一貫校、私立大学で常勤や非常勤講師として勤務してきました。特に博士課程在籍中には、私立高校で常勤教員として勤務し、研究との両立がたいへんな時期もありました。これらの経験について紹介してみようと思います。

⭐️府大高専赴任前のこと
 府大高専に赴任するまでは、様々な学校で中学生~大学低学年の年代の生徒・学生と関わってきました。学校によって雰囲気は異なり、授業もそれに応じて進めることになりますが、どの学校でも良い経験をさせていただきました。中でも、私立中高一貫校への勤務は8年間と最も長く、そのうち2年間は常勤講師として勤務する傍ら、博士課程では長期履修生(標準年限3年のところ、4~6年かけて学位取得を目指す学生のこと)として博士論文執筆のための研究もしており、仕事と学業の両立が最もたいへんな時期でした。平日5日間のうち4日間はフルタイム、1日は半日、また土曜日も半日勤務をしていました。平日のうち半日勤務の日は午後から大学に行きセミナー、また必要に応じて日曜もセミナーを行い、時間のやり繰りがとてもたいへんでしたが、仕事の合間や長期休業中に研究を進め、なんとか博士論文を提出することができました。仕事と学業の両立ができたのはすべて、家族・同僚・大学の先生など周囲の理解やサポートのお陰です。とても多忙ではありましたが、常勤教員として、授業だけでなく生徒指導や学校行事にも深く関わり非常に充実した楽しい毎日でした。博士課程卒業後は同私立中高と私立大学の2校に非常勤講師として勤務し、大学でも教育経験をさせていただきましたが、常勤教員としての2年間がとても充実していて楽しかったので、非常勤ではなく常勤として学生指導にもっと深く関わりたいと思うようになり今の職に至っています。

⭐️府大高専について
 「高専」という学校をあまりご存知ないという方も多いかもしれませんが、府大高専には高校1年~大学2年の年代の学生が1~5年生として在籍しています。1年生から実験・実習などの授業があり、高校普通科とは違った独特のカリキュラムで工学を専門的に学んでいます。もちろん高校普通科と同じ内容も勉強していて、数学については、1・2年生で高校数学を一通り学び、3年生からは大学生が学ぶ微分積分や線形代数の内容を学んでいきます。私は主に1~3年生の数学を担当していますが、4・5年生で専門的に工学を学ぶ際には数学の基礎知識がとても重要になってきますので、確認テストを定期的に実施するなど、学生の基礎学力定着のための工夫をしています。また、教科指導だけでなく、担任として学生生活にも深く関わっています。2020年度はコロナ禍で学校行事の多くは中止になりましたが、唯一開催された学校祭では、高専生のものづくりの力に改めて感動しました。

⭐️仕事と家庭の両立
 現在、保育園に通う息子とお腹の中にはもうすぐ誕生する子がいます。育児と仕事の両立はたいへんで、周囲の理解やサポートのおかげで毎日生活できています。子どもは日々成長するので感動や笑顔をもらうことも多く、毎日がとても充実しています。これからしばらくは2人目の産休・育休を取得しますが、仕事復帰後の生活が全く想像できません。どのような困難があるかわかりませんが、周囲のサポートを受けながらなんとか乗り越えていくことになると思います。周囲への感謝を忘れず、そしていずれは自分自身が誰かをサポートする側になりたいと思います。

 

※2021年6月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

 

著者略歴

大阪府立大学工業高等専門学校 総合工学システム学科
梶 真理香
専門は整数論です。幼少期の夢はピアニストで、中学時代には3回全国大会に出場しました。数学の魅力に気付いたのは大学3回生の頃で、もう少しだけ…という気持ちだけで大学院に進学し現在に至ります。

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