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Profession

数学と
システムエンジニア

column コラム

この文章を書いたのは?

竹本 有希

システムエンジニアが数学を使う具体例

数理女子をご覧のみなさん、はじめまして。私は大学と大学院で6年間数学を学びました。卒業後はIT系企業に就職して、システムエンジニアとして働いてきました。みなさんに馴染みのある数学がIT系の仕事にどのように活かされてきたのか、ご紹介したいと思います。

まず、システムエンジニアという職業に馴染みのない方も多いと思いますので、簡単に説明します。例えば、新幹線のチケットを買うときに、券売機で座席を指定して、代金を払ってチケットを発券するためのシステムを利用すると思います。システムエンジニアは、そのようなシステムの設計、開発、そして問題なく動くようにテストしたりする職業です。

さて、私は入社して初めての仕事で、作成されたシステムに、求められている機能が備わっていることを確認するためのテストを担当しました。まず最初に、システムの一部分の機能についてテストケースを作ることになりました。テストケースでは、システムを使うときの全てのパターンを洗い出し、そのそれぞれについて正しい動きをするか確認することが必要です。もしテストケースを作り忘れるパターンがあった場合、その機能については確認をしないまま、システムがたくさんの人に使われてしまうことになります。その結果、もしシステムが間違った動きをすれば、たくさんの人の混乱を招き、大変な迷惑をかけてしまうかもしれません。そこで私はシステムの動きについて、みなさんが場合の数について考えるときのように、樹形図を書いてシステムの動きのパターンを洗い出しました。その上で、作らなければならないテストケースを作り上げました。そうすることで、テストしなければならないパターンに抜けや漏れが発生することを防ぐことができました。また、システムが正しく動かないときは、原因を見つけ出して正しく直す必要がります。正しく動かないという結果から、原因を特定するために関数の考え方をもとに作業を進めたこともありました。

最後に、私が働いていた会社では、大学の理数系の学部を卒業した女性が、いろいろな分野で活躍していました。IT系の企業には、あまり馴染みがない方が多いかもしれませんが、みなさんに馴染みのある数学がどのように仕事に生かされているかを知ってもらって、より数学に興味をもっていただけたら、とても嬉しいです。

※2017年7月掲載。情報は記事執筆時に基づき、現在では異なる場合があります。

著者略歴

竹本 有希
中学校から大学院までを女子校でのびのびと過ごしました。学生時代の趣味は映画を観ることで、高校時代は時間を見つけては映画館に通っていました。最近はミステリー小説を読むことにはまっています。

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